医院クリニックリフォーム設計事例
医院名 | ひばりクリニック |
所在地 | 愛知県春日井市桃山町2-281-2 |
診療科目 | 内科・呼吸器内科・皮膚科・訪問診療 |
築45年、昭和の医院を令和のモダンクリニックに
今回リノベーションのご依頼をいただいたのは築45年、昭和に建てられたRC造の医院。
長年地元の皆様の健康を支えた医院が2年前に閉院。新たに30代の若い先生がこの地で新規のクリニックとして開業されることになり、K総合設計のホームページから直接お問い合わせいただきました。
調査の結果、壁や天井にヒビ割れが無く、建物の形もシンプルで壊れにくい整形、また当時の構造図・構造計算書も現存しているという好条件が揃っていることが判明。
頑丈な躯体を活かしながら、現代的なモダンクリニックへと再生するプロジェクトが始まりました。
クリニック受付のリフォーム
クリニックの顔とも言える大切な場所。それが受付です。
このBefore画像では分かりにくいかもしれませんが、元々以前の医院には玄関から受付に入るまでに土足を脱ぐスペース(Before画像左側)と靴箱があり、間に仕切りとなるガラス戸がありました。
そのため受付と待合室のスペースが圧迫され院内がとても狭くなっていました。
そこでガラス戸を取り外し、以前の玄関までのスペースを全て受付・待合室の空間にすることで一気に開放感が生まれました。
Afterではグレーの壁紙とアクセントになる暖かい木材のコンビネーションでモダンな印象に。実はこの配色は先生のご要望で実現しました。先生ご自身がお忙しい中さまざまな建築を勉強され、打ち合わせでは常に積極的にアイデアを出していただきました。その結果、Beforeとは見違えるようなシックで落ち着いた受付が完成しました。
クリニック待合室のリフォーム
以前の待合室の最大の問題点。それは「狭い」ということでした。
前段でお話した通り、もともと以前の医院には大きな下駄箱があり、それらが室内に突き出すことで貴重なスペースが圧迫されとても狭く窮屈な印象を与えていました。
受付側からの待合室の眺め。下駄箱を撤去したことで以前の狭かった待合室からどれだけ広くなったのかよくわかります。
元からあった大きなガラスとそこから差し込む明るい光、緑の木々は以前の医院の良さとして残し、それらを最大限に活かした明るい待合室になりました。
待合室の正面には大きな掲示板。これはマグネットボードになっており、お知らせの紙を簡単に磁石で貼ることが出来ます。
また、掲示板の周りには石目調の特殊な壁材を使用。これはマンションの内装でも使われる物で、表面の凹凸に光が当たると重厚感のある陰影が生まれます。
天井に埋め込んだLEDの間接照明が待合室を優しく照らします。
また、天井カセット型のエアコンの色を一般的な白にするか黒にするかも迷いましたが、最後は先生が黒に決断。結果的にエアコンの黒が空間を引き締めるアクセントとなり大正解でした。
ちなみにこの待合室を含め全ての床材もいくつかの候補の中から最終的には全て先生が決断されました。
ここまで読んでいただき、随所に先生のご意見が反映されていることがおわかりになるかと思います。K総合設計は建築家が一方的にデザインを押し付けるのではなく、先生とお互い意見を出し合いながら先生のご要望を尊重し、二人三脚で造り上げていくスタイルなのです。
クリニック診察室のリフォーム
以前は診察室と処置室が一体化した空間となっていました。しかし、個人のプライバシーに対する配慮が求められる現代においてこの形は望ましくありません。
そこで両部屋を往来するための動線は確保しつつ、仕切りとなる壁を設置し診察室と処置室をそれぞれ独立する部屋として分離しました。
待合室と同様に、診察室と処置室をまたぐ大きなガラス窓からたっぷりと注がれる暖かな陽の光と、その外に広がる樹木の気持ちの良い借景はひばりクリニック様のまさに目玉です。
特に診察室から見える裏庭には東京ドーム約半分ほどの広大な敷地に桜・桃・柿・銀杏・カエデ・楠・竹などたくさんの植物があり、四季折々で移り変わる自然の景色は患者様・先生の心を癒してくれます。
まるで大きな額縁に収められた自然の絵画。そんな窓と景色を主役として引き立てるために、内装はあえて引き算のデザインでシンプルな設計にしました。
クリニック処置室のリフォーム
以前は診察室の奥にさらに小さな部屋がありましたが、壁をぶち抜き一つの部屋とすることでより大きなスペースが生まれました。
白を基調とした清潔感のある内装に、大きな窓から降り注ぐ優しい光が不安な患者様の心を優しく包み込みます。
こちらは診察室と処置室をまたぐ大窓添いの作業台。以前は年季が入りすぎた台とシンクでした。
これはサイズがとても大きいため、もし同様の台を新品に買い換えるとなると特注品となり想定外の大きな出費になってしまうことが判明しました。しかしそのまま使い続けるとそこだけ明らかに古く悪目立ちしてしまいます。
そこで引き出しのある「台」ではなく、天板を乗せた「カウンター」として費用を大幅に削減しながら見た目も綺麗な作業カウンターを作りました。そして空いた下のスペースには市販のチェストやケースを設置できるようにしました。
安易に高額な設備を購入するのではなく、限られた予算の中で優先順位をつけ、知恵を絞り、最低のコストで最大のパフォーマンスを追求する。それがK総合設計のスタンスです。
クリニック廊下のリフォーム
今回のリノベーションで大きく変貌を遂げたのが廊下でした。
元々の天井高は約2.3m。大人の男性が手を伸ばせば触れてしまうほどとても低く、そのため医院全体が狭く窮屈な印象になってしまう元凶でもありました。
そこで元の天井をぶち抜き、さらにそこに木製のルーバーとLEDの間接照明を設置しました。
特にこのルーバーは先生のこだわりでした。この廊下は入口から入った時に正面の視界に入ってくる場所。ここが狭く暗い印象だとクリニック全体の印象まで暗くなってしまいます。
様々な建築を調べ、ぜひルーバーを設置したいという先生の熱い気持ちが、このように解放感があって明るい廊下を実現させました。
クリニックトイレのリフォーム
以前のトイレは日中でも暗く、車椅子の方は中で向きも変えられないような狭さでした。
そこで隣接していたレントゲン室の操作室と現像室を別の場所に移し、壁をぶち抜いてトイレのスペースを確保しました。
ちなみにこのタンクレストイレも業者の見積もりが高かったため、先生が自らインターネットで検索し購入されたものを使用しました。こうした細かい積み重ねが大きなコスト削減につながるのです。
右側の壁に何も無いと殺風景になってしまいます。
そこでトイレのアクセントとしてお手入れ簡単で、湿気は通しても水や汚れはほぼ通さない壁材を市松模様に貼りました。
トイレが暗いのは論外ですが、明るすぎても落ち着けません。間接照明の位置も細かい調整を重ねました。
クリニック外観のリフォーム
外観は保存状態も良く、またコストの観点から今回はほぼ手をつけませんでした。
ただし、待合室を広くするためにエントランスは以前よりも外側に出し風除室も確保。さらに車椅子の人でも難なくご来院いただけるようサイズを調整し、入口には雨よけとなるキャノピーも設置しました。
クリニック開院までの振り返り
今回は愛知県春日井市で新規開院された『ひばりクリニック様』のリノベーションプロジェクトをご紹介いたしました。
院長である加藤裕真先生はK総合設計のホームページを見て「毎日通勤で通る道沿いにあるクリニック2軒が実績一覧に掲載されていて驚いた。どちらも好印象だった」ということで自ら問い合わせをしご依頼いただきました。
加藤先生はとても勉強熱心な方で、建築の事例を探して自らのイメージを積極的に発言されたり、自分で買える物は自分で買って無駄な費用を出さないよう汗をかかれる方でした。
院長先生・建築家・現場監督。時には喫茶店で、時には工事中の現場で何度も何度も膝をつき合わせ打ち合わせを重ねました。
独立開業は先生にとっても人生をかけた大勝負。特に今回はコロナ禍での開院。先生も我々も本気で向き合った結果、Beforeの状態から見違えるほどモダンでクールなクリニックが完成しました。
また開院前の内覧会では当初の想定を上回る360人の方々に見学いただき、特に以前の医院に通われていた地元の方からは「綺麗になっていて驚いた」という声をいただきました。
ひばりクリニックについて
春日井市と小牧市の境に位置する桃山地区にある『ひばりクリニック』。同院は、呼吸器内科を中心に、一般内科・糖尿病内科・皮膚科・漢方内科まで幅広い診療を行っています。また、在宅医療やターミナルケアにも力を入れています。
院長である加藤先生は穏やかで優しく、患者様やご家族とのコミュニケーションをとても大切にされています。お一人お一人のお話にしっかり耳を傾け寄り添い、わかりやすい説明を心がけておられます。
お近くの方はぜひお気軽にご来院ください。
ひばりクリニック公式ホームページ
(HP制作:クリニックファースト)
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後で後悔しない為にも、クリニック専門の一級建築士にご相談ください。
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