現在勤めている病院を辞め、地元岡崎で新規開業しようと考えています。
父も高齢になってきたので、先日家族会議を開きいよいよ私が父の医院を引き継ぐことになりました。
クリニックの新規開業・医院承継は数千万円〜数億円の費用がかかる一大プロジェクトです。医師個人としても人生最大の支出になるにも関わらず、インターネットや書籍でも表に出る情報が極めて少ないがゆえに情報の非対称化が起こりやすいという問題があります。
その結果、悪質な業者に騙され工期が大幅に遅れてしまったり巨額の損失が出てしまう事も。
せっかく一生に一度の大きな買い物をするのであれば、市場の競争環境やマーケットリサーチ、成功のポイントなど正しい知識を学び、悔いなく理想のクリニックを造っていただきたいです。
そう願い、今回クリニック建築の専門家としてこの記事を執筆しました。
- 岡崎市で新規開業、または医院承継される予定の医師
- クリニックづくりで絶対に後悔したくない人
- 正しい知識を学びたい人
岡崎市について
岡崎市は愛知県の中央部に位置する中核都市で、人口は約38万人(2020年4月現在)。県内では名古屋市、豊田市に次ぐ第3位の都市です。
人口は増加傾向にあり、2030年まではこのまま増加傾向が続くと推計されています。
岡崎市の科目別診療所数と市場環境
近年、全国的にクリニックの猛烈な新規開業が相次ぎ医院の総数は一貫して右肩上がりで増えてきました。それに伴いクリニックを取り巻く競争環境は年々厳しさを増しています。
日本医師会の資料によると、2018年11月時点における岡崎市の診療所は合計で207あり、科目別は以下の通りです。
これだけでは競争環境が厳しいのか緩いのか判断が付かないので、人口10万人あたりにおける診療所数を全国平均と比較してみました。
この表を見ると唯一小児科系だけは全国平均と比べ岡崎市の方が若干多いですが、全体的に見ると総じて岡崎市の医院数は比較的少なく競争環境は恵まれていると言えます。
特に内科系に関しては全国平均と比べるとずいぶん少ないので今後新規開業するにはチャンスが残された街と言えるでしょう。
岡崎市の人口統計とクリニックを建てる際のポイント
岡崎市の人口を世代別ピラミッドで見ると男女ともに45〜49歳が最も多く、次いで40〜44歳が多いということが分かります。
特に40代の女性はご自身、お子様、夫、両親(義両親)が病気やケガをした時にどこのクリニックに行くかを決めるキーマンになるケースがとても多いので、いかに40代の女性に選ばれるクリニックを造るかは建築的観点から考えてもとても重要なポイントになります。
失敗しないクリニック新築設計のポイント
クリニックの建築は数千万円以上かかる人生で最大の買い物だけど、どんなクリニックにすれば良いのか?どんな設計事務所に任せれば良いのか全然分からない…
それまで勤務医として働いていた先生がいざ開業を決意し開院にいたるまで、クリニックの建築に限らず医療機器の選定、事業計画書の作成、金融機関からの融資、スタッフの採用、ホームページやチラシによる広報など対応しなければいけないタスクは山のようにあります。
その中でも最も大きな支出は医院の建設費。しかし、この人生最大の支出に対する情報はネット上にも少なく、また安易に決めてしまったが為に後々追加工事の発生などで大きなトラブルに繋がる事があります。
そこでここではクリニック建築で失敗しない為のポイントをお伝えします。
①クリニック建築の実績豊富な設計士を選ぶ
医療機関の建築は、一般の住宅や施設と比べて特殊な要件が多数存在します。一例として下記のような要件が挙げられます。
- 保健所の定める仕様に準拠出来る
- レントゲンや医療機器に対する知識があり、それらに対応した設計が出来る
- 院内感染を防ぐ為の建築的対策を取る事が出来る
- 医師やスタッフの日々の動きを熟知し、無駄のない最適な動線を描ける
- 開業医の思い描く理想のクリニックを実現出来る
これらを満たすには、やはり数多くクリニックを手掛けた実績のある経験豊富な設計事務所に依頼するのが賢明です。
建築費は安いに越した事はありませんが、金額が一番安かったという理由で経験の無い設計士を選び、後々想定外のトラブルが頻発、追加工事が発生し当初の見積り価格の倍近い費用がかさみ裁判沙汰になるケースも少なくありません。
クリニック設計が得意な設計事務所を探す一つの方法として、知り合いの開業医に紹介してもらうという方法があります。
また、ホームページでクリニックの実績を多数掲載している設計事務所も良いでしょう。その場合、可能であれば実際に施工したクリニックを見学させてもらうのも有効な手段です。
優良な設計事務所は施工後も施主である開業医の先生と良好なお付き合いを続けているケースが多いです。逆に、見学を依頼して断られたら、それは施工時に問題が発生し施主と関係が悪化している可能性があります。
人生最大の支出となるクリニックの建築は信頼の置ける設計士に依頼しましょう。
②土地やテナントを契約する前に建築家に相談する
ドクターが開業を検討し始めた時の最初の相談相手は医療コンサルや医療卸の開業担当者である事が多く、彼らが見つけてきた土地やテナントを契約してから設計者を選び始めるケースが一般的です。
しかし、出来る事なら土地を契約する前にプロの建築家に相談し、一緒に現地を確認してもらう事をオススメします。
開業専門のコンサルは診療圏のデータを保有しているのでマーケットリサーチという観点では良い立地を提案してくれますが、決して建築のプロでは無いので後にその土地やテナントにクリニックを建設する上で重大な問題が発覚してしまうケースが少なからずあるのです。
例えば実際にあった事例として、独立予定の医師が医療コンサルと駐車場だった土地を開業予定地として契約し、後に設計士を決め現地の土地調査を行なった際、もともとその土地は埋立地で地盤が大変ゆるく、杭が打てないので建設はとても不可能という事実が発覚しました。
しかし既にその時点で開発申請や測量・登記、さらに駐車場と契約していた個人の方々に別の駐車場に移っていただく為の資金などで数百万円支払っていたので大問題となり、裁判沙汰にまで発展しました。
もちろん開業計画は全て白紙に戻してゼロからやり直す事に。実はその問題が起きて医療コンサルとの契約を解消した後にK総合設計に相談があり別の土地を見つけて最後は無事開院する事が出来たのですが、銀行から借りた虎の子のお金が無駄になってしまっただけでなく、それまでにかけた膨大な時間が全て無駄となり開業予定が大幅に遅れてしまった事がショックだったとその医師はおっしゃっていました。
土地やテナントを決める前に建築家に相談し、取り返しのつかない失敗を未然に防ぎましょう。
クリニック新築設計事例
それでは実際にK総合設計が手がけた新築のクリニックの事例をご紹介します。
つつい整形外科様
白を基調とした清潔感のある待合室。そして脚を骨折しギプスをしていても脚をまっすぐ伸ばして気兼ねなく座れる一列型の待合室。患者様に寄り添うデザインを心がけました。
はんだ脳神経内科クリニック様
レンガとガラスという異素材を組み合わせたモダンでシンプルなクリニック。中の待合室は患者様の緊張を和らげくつろいでいただけるよう、クリニックとは思えないまるでカフェのようなデザインに仕上がりました。
失敗しないクリニックリフォームのポイント
今の病院を辞めて父のクリニックを継ぐ事になりました。築30年の医院なのでこの機会にリフォームして綺麗にしたいと思っています。
でもどんな業者に頼めばいいのかよく分かりません。とりあえず町のリフォーム屋さんに聞きに行けばいいのかな…?
近年、先代のお父様からクリニックを引き継ぐ親族承継や、後継者がいないクリニックを譲受して始める第三者承継など医院承継の案件が増えてきました。
新規開業の場合は医療コンサルや医療卸の開業担当者などが手取り足取りサポートしてくれますが、承継の場合は新規開業と異なり彼らにサポートしてもらえるケースは少なく、実質的には引き継がれる医師が自ら能動的にあらゆる業者を探し、連絡し、プロジェクトを進めていかなければいけません。
その中でもリフォーム費用は医院承継の中でも最も大きな支出になります。何も知識が無いまま走り出すと悪徳な業者に騙されたり、スケジュールや予算が大幅に超えて大きな痛手になる事も…。
後で後悔しないよう、ここでクリニックをリフォームする時のポイントをお伝えします。
①絶対にクリニックのリフォーム実績のある専門家を選ぶ
リフォームと聞くと、町や広告で普段見かける一般のリフォーム屋さんを想起するかもしれませんが、住宅のリフォームと医院のリフォームは専門性という点において全く異なるものだとまず理解しましょう。
特にクリニックの場合、既に院内にはレントゲンや各種医療機器などが設置されています。これらは大変センシティブな機械なので、もし工事で発生する粉塵が僅かな隙間から入り込んでしまったら故障してしまい数千万円の損害になってしまいます。また、医療に詳しくない職人さんが勝手に医療機器を動かし、そのはずみで機器が故障したという話もありました。
クリニックのリフォームは実績豊富な専門家に依頼しましょう。
②クリニックを長期休診せずに工事できるスケジュール設計
親族承継の場合、既存のクリニックの営業を続けながらリフォーム工事を進めなければいけないという二律背反が求められます。もちろん工事は1日では終わらないので、休診させずに工事を進めるための計画を立てなければいけません。
1年間の中でクリニックリフォームに最適な時期があります。それは5月・8月・9月です。つまりゴールデンウィーク、お盆休み、シルバーウィークの長期連休の時期に集中的に工事を進めるのです。
中には1度の連休では終わらないケースもあります。その場合は時期を空けて段階的に進める事をオススメします。可能であれば、正式に承継される1〜1.5年ほど前から専門のプロに相談し、余裕を持った長期的スケジュールを組むと理想的です。
クリニックリフォーム事例
それでは実際にK総合設計が手がけたクリニックリフォームの事例をご紹介します。
かすがい内科様
どこか暗い印象のあった受付と待合室の床、壁紙、照明を全てリフォームし明るく清潔感溢れる空間に生まれ変わりました。
クリニックの設計・リフォームで後悔しない為に
医師に専門科目があるように、建築家の世界にも得意・不得意な領域が必ず存在します。その中でK総合設計はクリニック建築の専門家として豊富な実績とノウハウがあります。
新築にせよリフォームにせよ、クリニックの建築は数千万円〜のとても大きな支出になります。開業医の先生がその地で安心して医療に専念できるように最高の医院を設計いたします。
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岡崎市でクリニックの新築・リフォームを検討中の方へ
クリニックを建てる事は開業医にとって未来への大きな投資です。
後で後悔しない為にも、クリニック専門の一級建築士にご相談ください。
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