医院クリニック新築設計事例
医院名 | じんの内科ハートクリニック |
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所在地 | 愛知県半田市岩滑西町2-48-61 |
診療科目 | 循環器内科・内科・心臓リハビリテーション科 |
公式ホームページ | https://jinno-heart.com/ |
北海道の山脈をイメージした有機的な外観デザイン

今回、外観デザインのコンセプトにしたのは『北海道の山脈』。これは院長・神野先生が学生時代を過ごした「第二の故郷」である北海道で数々の山に登ったという実体験から着想を得ました。

あえて建物のスカイラインに高低差をつけ、稜線のような立体感を演出。(実はじんの内科ハートクリニック様のロゴの中にも北海道の山脈がデザインされています。)

現代に多い無機質な建築とは一線を画し、自然の有機的なラインを想起させる象徴的な外観によって、周囲の医療施設との差別化を図り、一目で印象に残るデザインを目指しました。
機能美と耐久性を両立したエントランス設計

エントランスには車寄せを兼ねたキャノピー(庇)を設置し、雨天時でも濡れることなくスムーズに出入りできるよう配慮しています。
キャノピーに使用した黒いスチールには、黒亜鉛メッキによる特殊コーティングを施しており、耐食性・耐剥離性に優れています。これにより、メンテナンスの頻度を抑え、長期的なランニングコストの低減が期待できます。
木の温もりを感じる受付カウンター

受付カウンターにはインパクトのある巨大な欅の一枚板。
「来院された患者さんがクリニックに入って最初に目に入るところには自然を感じる木材を使いたい」という先生の想いを受け、愛知・岐阜・三重の材木店を約80件調査。その中から先生とともに約10件の材木店に直接足を運び、知多にある材木店の倉庫の奥で理想的な一枚と出会いました。
落ち着きと開放感を両立した待合室

待合室のコンセプトは『山のホテルのように落ち着く空間』。木の温かみを基調とし、来院者がリラックスできる環境を目指しました。
ベンチや椅子は神野先生ご自身が飛騨の工房で特注したもので、ウォールナットの背板がフローリングと調和しています。

また、待合室には大きなガラス面を採用し、自然光をたっぷり取り込む開放的な空間としました。紫外線をカットする特殊ガラスを用いることで室内環境を良好に保ちます。
さらに、夏・冬の太陽高度を考慮し、直射日光が室内に入らないよう庇の長さを設計。窓際にはカウンター席を設け、外に広がる半田の四季を感じていただける空間としています。
機能性と感染症対策を両立した診察室と検査室

診察室は2室を設け、どちらも機能的かつ動作効率を考慮した設計としました。限られた動きで必要な設備に手が届くよう、レイアウトを工夫しています。

じんの内科ハートクリニック様の設計計画がスタートした2022年は、新型感染症への対策が重視されていた時期でした。
そこで、雨天時にも換気が可能で、風による書類の飛散が起きにくい換気窓を各室に設置。

また、診察室・検査室・レントゲン室・処置室を一直線に並べ、それらを一本の動線でつなぐことで廊下を排除。空間効率を高め、省スペース化を実現しました。
限られた面積でも広く感じる処置室の工夫

後述しますが、本計画では「延べ床面積300㎡以内に収める」という制約がありました。その中で心臓リハビリテーション室の面積を最大限に確保するため、処置室は必要最小限の広さに設計。
ただし、ベッドの配置や作業カウンターの設計を最適化することで、実際の面積以上の広がりと使いやすさを感じられる空間としました。
理想のリハビリを追求した心臓リハビリテーション室

院長の神野先生はもともと旧:半田病院(現:知多半島総合医療センター)で心臓リハビリテーションを立ち上げた方で、開業するにあたり理想の心臓リハビリを追求したいという熱意を強く持っていらっしゃいました。

そこで、明るく開放的で、患者さんが前向きにリハビリに取り組める広々としたリハビリ室を計画。

リハビリ機器メーカーの担当者、神野先生、理学療法士、K総合設計の4者で綿密な打ち合わせを重ねました。どういう機器を置き、どのようなリハビリを行うのか何度もシミュレーションを行い、最も効率的な配置を実現しました。
また、将来的な患者数の増加にも対応できるよう、増築を見据えた構造計画をあらかじめ組み込んでいます。
デザイン性と機能性を兼ね備えたこだわりのトイレ

壁一面にモザイクタイルをあしらった、印象的なトイレ空間。
これは常滑のINAXライブミュージアムのトイレのモザイクタイルに感銘を受けた神野先生の奥様のご要望を取り入れ、何度もショールームに足を運び20種類のサンプルを比較検討し、納得のいくデザインを形にしました。
設計にあたっての課題と工夫
今回じんの内科ハートクリニック様の設計を行うにあたり、クリアしなければいけない課題がありました。
1. 高台立地に伴う造成コスト
Before

After

まず最初に大きな課題となったのは、敷地が「高台」に位置しているということでした。そのままでは車が道路から駐車場に進入できず、大規模な造成工事が必要となります。
開業予定地は市街化調整区域で開発規制区域に当たるため、当初土地の造成だけで数千万円の工事費がかかると見積もりが上がってきました。また、造成にともない擁壁工事も発生します。こちらも一千万円以上の見積もりです。
医院経営への影響を最小限にするため、工法や設計手法の見直しを徹底的に行い、結果として造成・擁壁費用を当初の見積もりより43%削減することに成功しました。
2. 延べ床面積90坪に収めながら180坪相当の空間を確保
建物を建てる際、延べ床面積が300㎡(約90坪)を超えると建築基準法上の規制が増え、確認申請の審査が厳しくなります。また、クリニックは消防法上の区分で「病院・診療所等」にあたり、300㎡を超えると各種消防設備の設置義務が追加され、トータルで800〜1000万円の追加コストが発生してしまいます。
したがって、延べ床面積は90坪以内に抑える必要がありました。
一方、じんの内科ハートクリニック様では広い心臓リハビリテーション室をはじめ、複数の診察室や処置室、ゆとりある待合室など、180坪規模のクリニックに匹敵する空間構成をご希望されていました。
そこで、廊下を排除した合理的な動線計画やシンプルな構造設計により、180坪相当の機能を90坪に集約。先生のご要望を一切妥協せずに実現しました。
じんの内科ハートクリニックについて
院長の神野先生は旧:半田病院(現:知多半島総合医療センター)で心臓リハビリテーションを立ち上げ、内科統括部長まで務められた循環器・総合内科・救急科の専門医です。
豊富な経験と知識はもちろん、医療に対しても、目の前の患者さんに対しても常に真摯に向き合われる先生です。(神野先生がコツコツ書き記されている院長ブログでは先生の実直なお人柄が伺えます)
また、知多方面では珍しい『フットケア外来』にも注力され、糖尿病患者さんの足病変のケアを行なっています。
半田市で心臓や血管に不安を覚える方は、ぜひ『じんの内科ハートクリニック』にご相談ください。
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